うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。ポテトチップスとフライドポテト。

アメリカ観察記断章。ポテトチップスとフライドポテトが互換的なのがアメリカだ。サンドイッチとチップスとソーダという組み合わせはド定番だし、メキシコ料理がポピュラーなカリフォルニアの場合、とうもろこしで出来たトルティーヤとサルサが付き出しのようなものとなる。

面白いのはこの組み合わせが、弁当的な携帯ランチの場合のみならず、フライドポテトのほうが妥当だと思われる実店舗でも採用されていることだ。カウンターでサンドイッチ・コンボ(アメリカでは「セット」メニューは「○○コンボCombo」と言う)を注文して袋入りのチップスを渡されると、「えっ」と思ってしまう。

アメリカは基本的に大きなサイズがデフォルトで、1人用に包装されたものは稀なのだが、チップスは例外である。小さなサイズのラインナップが豊富にあるし、コンビニやキオスクのようなところでも複数のメーカーの品が並んでいる。ただ、味付けについては日本のポテトチップスのほうが圧倒的にバラエティに富んでいるようには思う。

いまだにチップス=ポテトの位置づけがつかめないでいる。日本の定食で言えば、おそらくは、漬物的な箸休めであり、白米のように腹を満たすものであり、千切りキャベツのようにメインディッシュの付け合せなのだとは思う。だからなのか、先日Peet'sというスタバのようなコーヒーショップで論文を書いていたら、隣に、60歳くらいの白人男が座った。いつも手書きでノートに何か熱心に書き付けている人だ。彼はすぐそばのTrader Joe'sで買ったと思わしきサンドイッチとチップスをテーブルに置き、軽い夕食を取る。「そうか、アメリカだと、この年になってもチップスを食べるのか」と妙に腑に落ちると共に驚いてしまった。

このごろまた寮併設のジムを使うようになってそこでテレビCMを見る機会を得たのだが、ファーストフードのCMのなかで仲睦まじそうな老夫婦が幸せげにハンバーガーを頬張っていた。アメリカ人は60歳70歳になってもポテトをつまみながらハンバーガーを食べるのだろうか。