うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。ユニクロ開店。

アメリカ観察記断章。近所にある南カリフォルニアでも有数の巨大ショッピングモール「サウス・コースト・プラザ」にユニクロが出店したというので、見に行ってきた。ここは超高級ブランドから庶民ブランドまで、服飾からキッチン用品まで、幅広く揃っているモールだが、「なぜあえてここに?」という感じはある。レディースのファストファッションであるXXI Foreverと、日本で言うとイトーヨーカドーのようなSears(食料品は扱わないが、電化製品から洋服までを手広く扱っている)の隣、入口すぐそばという好立地だが、エスカレーターを降りなければならないので、体感的にはあまりアクセスがいいという気はしない。角の店舗で床面積は広く奥行きも充分だ。しかしユニクロのあるモール東ブロック一階(エントランスは二階にあるので感覚的には地下一階である)はキッズを対象にした店舗が固まっており、ユニクロは何かとても場違いな雰囲気がある。店舗のカラースキームは日本とまったく一緒のようで(朱色のロゴ、ゴシック体の英字)、「UNIQLO」とともに「ユニクロ」というカタカナのロゴが並列であらゆるところに(ウィンドウから服のタグまで)あしらわれているのがとても印象的だった。棚にならぶアイテムはベーシックなものがほとんどで、変り種はほぼ皆無。無地(かそれに近い柄物)のシャツが色違いで大量に、床から天井まで壁面いっぱいに並んでいる光景は、アメリカだとかなり新鮮だろう。こういうのはほかでは見られない。シャツが一枚30ドル前後というのも、アメリカだとかなり競争力があると思う。同じ客層を相手にしていると思うAmerican Apparelなどと比べてもずいぶん安い。しかし、アイテム数はあまり多くないし、シャツやジャケットの仕立てがアメリカ人の体系にフィットするかというどうだろうか。おそらく10代や20代の若者には受けるかもしれないが、それ以上の年齢にはアピールしないと思う。そういう層はきっとSearsで買ってしまうだろう。ダウンジャケットだとかフリースだとか、かなり強力な商品もある。あの値段でこの品質はやはり驚異的だ。しかし、ユニクロアメリカで成功できるかどうかは、究極的には、知名度をどこまであげられるかにかかっている半面、アメリカでユニクロが日本のように広い年齢層にアピールすることはないだろうと思う。個人的な直感としては、「多分うまくいかないじゃないかな、この店舗」という感じだ。あと、仕立てはとくにアメリカ仕様になってはいないらしい。サイズ表示はいじってあるようだが(日本のM=アメリカのS)、シャツやジャケットの着丈はそのままだと思う。だから、アメリカのスタンダードで考えると、ちょっと短い感じがする。