うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。家電の単機能について。

アメリカ観察記断章。家電の単機能について。アメリカの家電は基本的に多機能ではない。たとえば寮に備え付けの洗濯機が出来ることといえば、洗いとすすぎを水でするかぬるま湯でするかお湯でするかの三択だけだ。日本の洗濯機ならデフォの「手洗いモード」的なものは存在しない。ほかにはたとえばパンを焼くのにしか使えないポップアップするトースター、融通の効かない電子レンジ。省スペースを旨として発案された(と思しき)日本の家電に慣れた身からすると、アメリカのそれはどうにも非効率だ。いや、というか、日本の家電が無駄に多機能なのか。これは収納スペースを潤沢に確保できるアメリカと、できない日本の住宅事情から必然的に生まれた異なる進化の過程だろう。日本の技術がガラパゴス的であるとしたら、それはおそらく、日本人の心性だけではなく、地理的な要件(とそれによって形作られているはずの具体的な心性)によるところが大きいのではないだろうか。