うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。相補関係にある個人主義と集団主義。

アメリカ観察記断章。アメリカは個人主義で日本はグループ主義であるというのはよく耳にする。これは間違ってはいないが完全には正しくないと思う。自分の見るかぎり、日本人のほうがある意味では個人主義アメリカ人のほうがグループ主義だと思う。たとえば、アメリカの学部生対象の大学寮では寝室共有がデフォルトなのだ。これは日本ではありえないと思う。それにアメリカで「おひとりさま」を押し通すのは度胸がいる。クラシックのコンサートにひとりでのこのこ出かけていくことほど場違いなことはない。誰も咎めはしない。だが、浮いていることを意識せざるをえない。アメリカ社会は孤なライフスタイルを拒否しない。誰も気にしないのだ。要するに、日本は孤独主義とグループ主義が排除関係にあり(孤独であることはハブられる可能性を感受することである)、アメリカは個人主義とグループ主義が相補関係にある(パーティーの途中で気ままに抜けてかまわない)というところだろうか。