うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

20240313 モントリオール3日目午後前半、聖ジョゼフ礼拝堂。

モントリオール3日目午後前半。聖ジョゼフ礼拝堂はカナダ国定史跡に選ばれており、そのドームはバチカンに次いで第2位の規模を誇るというが、建物全体にただよう妖しさは新興宗教の異様な熱気を思わせる。バジリカまでエスカレーターでいけるようになっているのに驚かされるが、さらに驚きなのは、全体のモダンな設えだ。祭壇もステンドグラスも彫像も、モダニズムの美学を経由したようなもので、ある意味、美術品としては面白い気もするが、宗教施設としては疑いのほうが先に立つ。

この教会はアンドレ・ベセットが行った奇跡ーー彼が香油を塗ると、足が治ったというーーのうえに立脚するものとのこと。真偽の程はわからないが、彼がローマ教皇によって聖別されているということは、ここが真っ当なカトリックに入ることの証だとは思うけれど、やはりこの場所には、何か異様なと言いたくなる宗教的熱気がある。そして、それが、これほど巨大な教会の建築を成立せしめているという事実と結びつくとき、何かきな臭い感じがしてくる。

(奇跡とカトリックの問題というと、19世紀なかばだったか、ルルドで見つかった病を癒すという泉が一大巡礼地となったことが思い出される。その意味では、この礼拝堂は孤立した特例というよりは、近代という世俗的時代における宗教的な超越と捉えるべきなのかもしれない。)

(ただ、それが、社会の枠組みから逸脱する傾向を見せていることも忘れるべきではないだろう。ウィキペディアによれば、モントリオールにはモン・ロワイヤル高さを超える建築物を違法とする条例があるそうだが、これはそのルールをやぶる少数例に入るとのこと。)

というわけで、早々に退散し、地下鉄で市中に戻ってきた。とはいえ、市中の外のほうの風景を眺められたので、それはそれでよかった。



ペルシャ系のカフェ。大いに賑わっている。ジンジャーティーにはショウガがたっぷり。よくかき混ぜずに飲んだら、お湯の味しかせず、アレっと思ってよくかき混ぜると、レモンの酸味とハチミツの甘みが混ざり合ってとても良い感じ。ビンでたっぷりなのも嬉しいところ。Café Aunjaにて。

ファラフェルを、イランのブレッドに挟んだサンドイッチ。マヨネーズっぽいソースに、フレッシュなトマト。ファラフェルがややポソポソしているというか、サンドイッチにするにはもうすこししっとりしていたほうがいいのではという気がしたけれど、このあたりは好みの問題かもしれない。思っていたのより1.5倍の大きさとボリュームだった。Café Aunjaにて。