うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

20191223 カイロの街歩き、カイロタワー。

20191223 カイロの街歩き、カイロタワー。今回のガイドブックはロンリープラネット英語版エジプトで、基本的にガイドブックに沿って動いている。というか定番を見ようと思っているので、無理に外そうとしているわけではないけれど、適当に歩き回っているので、結果的に、ツーリストっぽいこととツーリストっぽくないことの両方をやってしまっている気もする。

昼ごはんにはガイドブック一押しになっていたコシャリ(なのかクシャリなのかよくわからないが)の店Abou Tarekに行ってみる。アラビア語はわからないからどうなるかとびくびくしたが、看板には店の名前が英語でも書いてあるから大丈夫だと思って踏みこんでみると、果たして英語がわかる店員がいた。メニューはひとつ、サイズが選べるのみというので、ミディアムサイズを選ぶ。待っていると相席になり、向かいに20代半ば(くらいだろうか)のカップルが座る。女性のほうから「日本人?」と聞かれて、そうだと答えて、なぜわかったと聞くと、「いま京都に留学中」とのこと。こんな偶然があるとは驚きだ。

コシャリは、マカロニの輪切り、パスタのぶつ切り、ライスに、肉のないトマトソースをかけ、そこにフライドオニオンと豆をトッピングし、辛い付け足しのソースとヴィネガーが加わる。炭水化物ばかりだが、食感がかなり違うので、予想以上にサラサラとした口触りだ。フライドオニオンのカリッとした香ばしさが決め手になるのは当然として、豆のコリっとした感じが想像以上に後口を左右している気がする。ミディアムでも結構多め。これで17エジプトポンド(120円くらい?)は安い。

この店はちょっと大きめの通りから一本脇にそれたところで、どうもその通りが自動車修理的なことをやっている店がたくさんあるらしく、そういう感じの通り。つまりちょっと歩きにくいというか、観光客があえて通る場所という感じではない。

ひたすら街を歩いていると、いくつか気がつくことがある。とにかく人が街にいるということだ。何をあたりまえのことをと言われてしまうかもしれないが、歩いている人というよりも、立っている人や座っている人があちこちにいるのだ。店先にはだいたい店員が入口ドアのそばに立っているし、道端に椅子を置いて座っているご老人がいるし、大通りの脇にある小道(大きな通りと大きな通りのあいだにある抜け道のようなところ)には商品が所狭しと並べられている。街の生命が人にあること、しかも単なる数の多さではなく、交流している人の多さにあることを、カイロの街は理解しているように見える。

たしかにマーケットのようなものが立ち並んでいる道は通りづらい。人がいすぎてスピーディーな移動には向かない。しかし都市空間というのは、効率的に通り抜けるためではなく、滞留したり停止したりするところにこそ、その生命力の精髄があるように思う。

歩きすぎて疲れたのでーー普段はそんなに歩かないくせに、旅行に出ると10キロは平気で歩いてしまう――、前から来る人の何人かが食べていたアイスクリームを買ってみる。通りの角にあるパティスリー屋で、かなり流行っている。買い方がわからなくて観察していると、どうやら店内でお金を払って、レシートを持って店先のケースのところに行けばいいらしい。英語でカウンターのひとりの若者に話しかけると、「そっちのやつに言ってくれ」という感じで別の店員のほうを身振りで示される。そちらの店員には英語が通じた。このアイスが12エジプトポンド。

カフェ・リッシュというかつては文人たちが足しげく通ったというカフェに入ってみるが、ここはハズレ。レンズマメスープも、アーティチョークも味がない。ライムやレモンを絞って塩で味をつけるが、やはりいまいち。ステラというエジプト・ラガー・ビールは朝飲んだばかりだけれどやはりおいしい。これで110エジプトポンド。先ほどの食べ物に比べると、そして腹の膨れ具合からすると、いきなり高くなった気もするが、日本円にすれば800円程度だから、まだずいぶん安い。

カイロタワー自体は特筆すべきこともない。エレベーターが小さくて10人程度しか上に上げられないのは何とも効率悪いと待ちながら思ったがーーここはかなり待たされた、建物に入るまでに10分くらい、入ってからも15分くらいは待った――上まで行ってみてわかった。展望になっている屋上部分が小さいのだ。これではたしかに降りてきた人の分だけ上に上げることしかできないし、普通のビルにあるような普通のエレベーターで充分なのだ。

ものすごい熱心に自撮りをしているアラブの女性たちに驚く。そんなに撮ってどうするんだろうと思うくらいに撮りまくっている。まあ、イスラムの女性がスカーフをかぶるのは、宗教上の要請というか強制であって、それはそれ、これはこれということなのだろうか。つまり、髪の毛を隠さざるをえないことと、(そのうえで)写真に露出されることは、とくに矛盾しないのだろう。何にそんなに驚いたのか、いまひとつ説明しがたいけれど、自分の思い込みがひとつ取りさらわれた気分。

夕飯はホテルそばのモダンなエジプトファーストフード店で。ターメイヤーという豆コロッケのサンドイッチにハイビスカス・ライムネード(レモネードのライム版)。とてもおいしかったので追加でミント・ライムネードと牛レバーのサンドイッチも食べてみるが、こちらも当たり。これで90エジプトポンド。本当に食べ物の値段がよくわからない。

f:id:urotado:20191231173649j:plain

f:id:urotado:20191231173233j:plain

f:id:urotado:20191231173312j:plain

f:id:urotado:20191231173349j:plain

f:id:urotado:20191231173451j:plain

f:id:urotado:20191231173554j:plain

f:id:urotado:20191231173418j:plain

f:id:urotado:20191231173619j:plain