うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。女らしさ男らしさと髪型。

アメリカ観察記断章。アメリカは日本に比べてジェンダー教育が進んでいると思うのだが、その一方で女は女らしい格好を、男は男らしい格好をしている気がする。だからなんだかんだでアメリカにはジェンダーモデルが依然として強固に残っており、外見=装いについては驚くほど保守的かつ画一的であるように思う。

すでに何度か述べたことだが、アメリカにおいて外見はいわば制服のようなもので、ある文化的民族的集団への帰属を表す記号にすぎないようなところもある。だからファッションは自己表現(ユニークな自分らしさ)の手段というよりは、ある種の型=タイプの採用であり、個性とは別物なのかもしれない。

この意味で、男の長髪は面白いケースだと思う。自分の見る限り、男の髪は基本的に短いか、ものすごく長いかのどちらかで、当然ながらロングが少数派である。男の長髪は3つのグループに分けることができると思う。1)ヒッピー系、乱雑に伸びたボリュームのある髪(白人が多い、30代40代でも続けている)、2)ミュージシャン系、ペタンとしたストレートな髪(ブロンドの白人以外がこれをやっているのを見たことがないと思う、これも若者限定というわけではない)、3)ファッショニスタ、きちんとまとめて縛ってある髪(これは若者限定のスタイルだ)。

アメリカに流行りの髪型がないわけではないと思う。しかしそういうトレンドに乗るのは本当にごくひと握りだけで、その中ですら日本ほどの多様さはない。というより、なぜ日本であそこまでバリエーション豊かな髪型が発達してきたのかと問うべきか。