うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。ファッショナブルさの選択肢の少なさ。

アメリカ観察記断章。アメリカで男で若者以上中年未満くらいでファッショナブルであろうとすると、かなり選択肢が狭いように思う。そういう人々はお洒落なというかこだわりのコーヒーショップのようなところに行けば遭遇できる。よく見かけるのは、サイドの髪は短く刈り上げて長めに残したトップをジェルやポマードできっちり固めて流し、チェックや濃い色のシャツをきっちり上までボタンを留め、ナロータイを締め、リジッドかあまり色の落ちていないデニムないしは細めのチノパン(しかしスキニーではない)、足元はブーツ、というような感じで、フィルソンのブリーフケースあたりを持っている。腕などにタトゥーが入っていることが多いし、ヒゲもデフォルトであると言っていいだろう。ここではある種の男性性が強調されているし、こういう格好をする人々はだいたいがっしりした体つきをしている。興味深いのは、このスタイルが、ファッショナブルな男と、ゲイと、トランスとがオーバーラップするゾーンであるように見受けられる点だろう。