うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

言葉を拘束しているものの正体を見定めたい(江藤淳・吉本隆明『文学と非文学の倫理』)

「うかがっていて、吉本さんもずいぶん楽観的だと思いましたね。吉本さんは私の仕事についてつまらぬことにかまけていると言われますが、私のいまやっていることはなんら政策科学的な提言などではありませんよ。そんなものに熱中できるわけがない。私はこれが私にとっての文学だからやっているのです。そうでなければこんなに身を入れてやりはしませんよ。ぼくは結局自分が言葉によって生きている人間であることを、日夜痛感しています。だからこそ、言葉を拘束しているものの正体を見定めたいのです。」(江藤淳吉本隆明『文学と非文学の倫理』208-9頁)