アメリカ観察記断章。日本の清潔さの概念は呪術的なのか？ 大学そばのコーヒーショップ（スタバとは別系統のフランチャイズチェーン）、いつもどおり店員が閉店準備を始めた。消毒液と洗剤液のスプレーを机に振りかけ、それを拭い、椅子を机の上にのせた。椅子の足（床に触れていた部分）が机の天板に触れた。それを見てかなりぎょっとしてしまった。衛生的観点から言えば、翌日営業前に椅子をおろし机をスプレーして拭けば問題ないのかもしれない。これを気にするのはハレとケという精神的な、つまり非科学的な汚れ（「よごれ」ではなく「けがれ」）に捉われている日本的心性のせいなのかもしれない。しかし、やはり、どこか腑に落ちない。おそらく「夕顔」を読んでいたからとくにそう感じたのだろうけれど。
