ワクチン2回目接種から15時間ほど経過して38度近くまで体温が上がってきた。ほかの特定の症状をともなわないこの漠然とした全身の倦怠感と悪寒は未体験の身体状態だが、それに呼応する精神状態はかならずしも未知のものというわけでもなく、いまはただ、いつもなら最後のウィスキーをちょっぴりグラスに注いだぐらいの時間だというのに、いつもならぎりぎり活動を開始できなくないぐらいの睡眠時間は取れてしまっており、微妙に夢うつつのままスマホの履歴を見ると、このあいだ出した学会発表がアクセプトされたというメールが来ており(来年3月初頭ならアメリカに行けるようになっているだろうか、さて、パスポート更新しないと)、なんだか妙に目が冴えてしまい、ひとまずおもむろに経口補水液OS-1の500mlのペットボトルを体に染み込ませるように飲み干し、かねてより抜かりなく準備してあった解熱剤アセトアミノフェン錠を無造作に飲み下し、仰向けのままこうして文を打っていると、プラシボー効果もあるのだろうか、体感できるくらいに悪寒が退いていくような気がするが、体温計の液晶画面はそれが単なる幻想であることを告げていた。38度。