うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

日本語のなかの移民(多和田葉子『エクソフォニー』)

「子供の時に出逢った単語の幾つかは、日本語にやって来た一種の移民だったのだ。そして後にドイツ語を習うことで、これらの移民の故里を知って、ああ彼らはこのあたりの出身だったのか、としみじみ思うのである。漢字という衣装は、大和言葉も新造翻訳もみんな同じように着ることができるから、出身地がわからなくなっているが、みんないろいろな土地から来ていた移民だったんだ……と思うと不思議な感動を覚える。」(多和田葉子『エクソフォニー』)