うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2018-10-22から1日間の記事一覧

思想をかけて歩く(菅啓次郎『本は読めないものだから心配するな』)

「歩行とは、そのまま人類史の問題なのだ。もしわれわれのだれもが日常生活の中で毎日少なくとも20キロから30キロの距離を歩くことを基本として社会のあらゆる成り立ちが見直されたなら、物質的にも精神的にも、現代のいかに多くの問題が解決されることだろ…

日本語のなかの移民(多和田葉子『エクソフォニー』)

「子供の時に出逢った単語の幾つかは、日本語にやって来た一種の移民だったのだ。そして後にドイツ語を習うことで、これらの移民の故里を知って、ああ彼らはこのあたりの出身だったのか、としみじみ思うのである。漢字という衣装は、大和言葉も新造翻訳もみ…