うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。アメリカの商業施設の相対的な静かさ。

アメリカ観察記断章。アメリカの商業施設は日本のそれよりはるかに物静かだ。過剰なBGMがないからだろう。何かしらの音楽は流れていることのほうが多い。しかし無音に近いところもある。実際、今日ブラック・フライデーの余波を見るために足を運んだ南カリフォルニア最大とうたわれるサウス・コースト・プラザではモール全体に音楽など流れていなかったし、個々の店舗も静かなものだ。ユニクロでは壁に埋めこまれたスクリーンにCMがエンドレスで流れていたけれど、音は聞こえてこない。音楽が流れているところでも日本に比べて音量はずっと控えめだし、何より日本のように広告ソングがないし、安売りのアナウンスのようなものもない。だからここで流れているのはまさにアンビエント・ミュージックで、あえて耳をそばだたせなければ意識に上らないようなものである。ところでいま音楽を流しているところでそっと耳を傾けると聞こえてくるのはクリスマスソングだ。サンクスギビング・デーはホリデー・シーズンの始まりで、モールはすでにクリスマスの飾り付けであふれかえっている。そしてそこをひとり闊歩する。