うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章/適当比較日本語論。固有名詞の読み方。

アメリカ観察記断章/適当比較日本語論。固有名詞の読み方。英語読みが基本。たとえば、リヒャルト・シュトラウスはどちらかと言えばリ(ッ)カルド・ストラウスに近い響きになる。マルセル・モースはマルセル・マウス、レヴィ・ストロースはレヴィ・ストラウス。原語表記に固執するカタカナ語に慣れた身からすると、これはいまでも何となく違和感がある。しかしおそらく我々はなぜ原語の音にこだわるのだ、と問うべきではなかろうか。漢字ひらがなカタカナを駆使する日本語は音を転写することに柔軟性を示すが、さりとて、原語を真に模倣できるわけではない。カタカナ表記はどこまでいっても近似値でしかない。日本語の(中途半端な)未知の音への感受性はもしかすると英語学習の大きな障壁ではないか。