ケベックシティ2日目午後。カナダ滞在も8日目。だいぶ疲れてきてもいるので、午後はただぶらつくだけにした。そのおかげで、やっと街の在り方が腑に落ちてきた。
ケベックシティはまずは川岸の低地に、大西洋の入口の港(とはいえ、ケベックシティは海から川をそれなりに上ったところにあるのだけれど)として始まった。だから低地のほうが先に発展したようであり、丘のほうは防衛軍事的な意味合いがあった。
しかし下流にあるがゆえに、川につきものの洪水や土砂被害があり、そのせいで、街の中心が、川岸から少し離れた高台に移っていったらしい。
こうして、現在のケベックシティは、傾斜のある丘のうえに広がるアッパータウンと、それを取り巻く平坦な低地の川岸にあるロウアータウンとに、二分されている。両者は、現在、急傾斜の階段、何度か折れ曲がる階段、そして Funiculaire と呼ばれる個室エレベーターで繋がれている。
ケベックシティは観光地としてはオフシーズンが明確にあるタイプに入るようだ。というのも、いま、街の至る所で工事中の箇所がある。観光客はそれなりにいるけれど、ハイシーズンに比べれば少ないせいだろうか、いまのうちに作業を済ませておこうという感じがする。店にしても、妙に営業時間が短いところがある。
これだけコンパクトな街ーー川岸から丘まで上がるのは高低差のせいで骨が折れるけれど、それを別にすれば、端から端まで歩いて30分ほどーーだけれど、表通りと裏通りはある。すべての道にレストランや商店があるわけではない。当然といえば当然だけれど、急に人気がなくなるのでちょっとドキッとする。
こんなに変わったトイレの手洗い場は見たことがない。バスタブが洗面台代わりで、水は上から下りてきているパイプの蛇口をひねると出る。手を拭くタオルが大量に棚に詰め込まれている。ちなみにタオルの棚は向かいにも同じようにある。手前のブリキの缶が使用済みのタオルを投げ込むところ。