うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2024-03-09から1日間の記事一覧

アンビエンス詩学の否定神学、または不在を不在「として」記述すること(モートン『自然なきエコロジー』)

文章は、なにかないものとして描き出すことで、それを記述することができないところを言葉で占めることで、陽否陰述に自己言及的なねじれを生じさせるが、このねじれは、なにかを記述する私たちの能力をどれほどまでに言葉が駄目にしているかということへの…

近代批判、または、近代が切り捨てるものを切り捨てるない方向性の模索(ラトゥール『地球に降り立つ』)

「近代人のこれまでの選択は、つねに古いものと新しいものとのあいだの選択だった[…]近代人にとって過去に架ける橋はない。過去はつねに乗り超えられるもの、時代遅れになるものだ。[…]伝統の概念を懐古的だと笑い飛ばし、伝達、遺産、再生のすべての形…

近代化への抵抗、または留まり続ける勇気(ラトゥール『地球に降り立つ』)

「近代化に抵抗するとは、自らの地所の代わりに他の地所が用意されることを、勇気をもって拒むことである。」(ラトゥール『地球に降り立つ』33頁)

人間と他の生命体の絡まり合い、または人間による代弁と人間だけの未来志向の問い(チャクラバルティ『一つの惑星、多数の世界』)

「人間が他の生命体と絡まり合っているという事実は、私たちに集団的および個人的なところで影響を及ぼしている現在のパンデミックに関する物語においてだけでなく、惑星的なレベル――たとえば地球システムの歴史―—においても明瞭である。だがこれらの絡まり…

惑星とわたしたちの非相互性(チャクラバルティ『一つの惑星、多数の世界』)

「惑星、つまり地球システムは、私たちとの関わりにおいてかつてのそれとは異なっている。生命を支える惑星的なプロセスは、私たち人間という目的に仕えることを求められているわけではない。人間は、この惑星の生命の歴史における、偶然の産物の一つである…