2022-03-06から1日間の記事一覧
思えば人というものは、なんと不思議なものだろう。 解きあかすことのできなことも解きあかし いちども文字に書かれたことのないものも読み もつれたものを自由に結びつけながら さらに永遠の闇のなかで道を見出すのだ Wie wundervoll sind diese Wesen, Die…
惜しみなく己を与える人は受け取ることのなんと少ないことか Wer ganz sich verschenkt wie er wenig empfängt (シュテファン・ゲオルゲ「苦悩の友 [Schmerzbrüder]」『ゲオルゲ全詩集』136頁)
マイリス・ベスリーの『ベケット氏の最期の時間』は、妻シュザンヌを亡くして介護施設に入ったサミュエル・ベケットが、いかにもベケットらしく、ベケットとして亡くなるまでの日々を過ごしていく様子を描き出す。 ベスリーは、医療関係者や介護人が綴る業務…