うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

指と体に構えと動きをすこしずつゆっくりとしみこませていくこと

カール・フレッシュの音階教本とクロイツェルを15分ずつさらってからバッハの無伴奏ヴァイオリンのヴィオラ版の重音のないナンバーを練習する。25年以上も楽器をやってきて今日ほど基礎練の意義を思い知らされた日はなかったように思う。スケールやエチュードをすっ飛ばすのは論外だが、さりとて、ただ機械的に繰り返すのでもなく、がむしゃらに量をこなすのでもなく、理性と身体感覚の対話から不良個所を意識的かつ実験的に修正しながら頭ではなくフィーリングで指と体に構えと動きをすこしずつゆっくりとしみこませていくこと。これこそ音楽することへのいちばんの近道ではないだろうか。