うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

文化の生産者として、文化への参加者として(ヘンリー・ジェンキンズ『コンヴァージェンス・カルチャー』)

「結局のところ、ファンダムとは魅了された状態 fascination と欲求不満の状態 frustrationとのバランスから生まれる。もし、メディアのコンテンツが私たちの強い興味をそそらなければ、そのコンテンツと関わろうとする欲求は生まれてこないだろう。しかし、もしメディアのコンテンツが私たちをあるレベルで欲求不満にしなければ、コンテンツを書き直したり作り直したりする意欲は生まれてこない。今日、私たちのメディア文化のありさまに対する多くの不満を耳にするが、どうやってそれを書き直すかということについて話している人は驚くほど少ない . . . メディア文化の未来を方向付けることを可能にする方法の一つは、メディアリテラシー教育に対して私たちを無力にさせるようなアプローチに抵抗することである。若い人たちが自分たちを、単なる消費者――批判的にせよもしくはそうでないにせよ――とみなすだけではなく、文化の生産者であり文化への参加者でもあると考えるように、私たちはメディア教育の目的を見直す必要がある。」(ヘンリー・ジェンキンズ『コンヴァージェンス・カルチャー』443、463頁)