うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。豆腐はTofu。

アメリカ観察記断章。豆腐は完全にアメリカの食に浸透したと言っていいと思う。正直なところを言えば、どうやって豆腐がアメリカで食べられているのかいまだによくわからないでいるけれど、スーパーの陳列を見るかぎり、豆腐はTofuになったのだという気がする。アメリカのスーパーでは「エスニックな食材」は別扱いだ。たとえばラーメンは一般棚にあるが、うどんはエスニック棚であり、醤油は一般棚だが味噌はエスニック棚というような具合になっている。豆腐はもちろん前者のカテゴリーに入る。そして醤油同様どんなスーパーでも入手可能だ。アメリカの食の文脈ではTofuはベジタリアンのための代替肉という扱いなのだろう。Trader Joe'sではTofurky(Tofu+Turkey)という「もどき」の肉と隣り合わせになっているし、また別のスーパーではチーズやその他の乳製品のそばに並んでいる。ところで、アメリカのTofuは日本の豆腐よりバリエーションが豊富である。日本だと絹と木綿が基本だが、アメリカだとsoft、 medium firm、 firm、 extra firmの4種類だ(ちなみにこれは6段階評価で、softが2、extra firmが5で、どうやら1と6に該当する商品は存在しないらしい)。全種類試してみたが、softが絹で、残りは木綿に近い。しかしsoftにしても日本の絹よりも若干固めという感じだ。絹豆腐のなめらかなやわらかさは、アメリカの食文化においてかなり異質なものなのかもしれない。ところでアメリカのスーパーに並んでいる豆腐はハウス食品のものである。価格は日本より若干高い(安売りで89ドル、正価だと1.99ドルくらい)。サイズは日本の一丁より一回り小さい感じ。